
「テレビで見たことある…。」
第1号井戸で、初めてマサイの人々と対面した時の率直な感想である。
そのいで立ちに衝撃を受け、恐る恐る「ソパ(マサイ語でこんにちは)!」と声をかける私。
首や耳にビーズを飾り、カラフルな布に身を包んだ彼女たちは、はにかみながら「ソパ!」と答えてくれた。
その顔を見た瞬間、出発前の不安や、「自分に何ができるのだろう」という漠然とした葛藤が吹き飛んだ。
Unity井戸プロジェクトを通じて、この素敵な笑顔の為に、少しでも貢献できている事がうれしかった。
そして、現地を訪れ、見て感じる事ができる私は、なんて幸せなんだろう。感謝の気持ちでいっぱいであった。 
マサイの人々はみんな明るく優しかった。
こども達は人懐っこく、目がキラキラしていた。
井戸の近くに住む女性が「私の家をカメラで撮って」というので、私は運よく、お宅を訪問することができた。
糞を混ぜた土壁にトタン屋根。6畳ほどの小さな家に夫とこども4人と家族6人で暮らしているという。
窓はなく、薄暗い部屋の中は、ひんやり涼しかった。
仕切られたベットルームは見なかったが、リビングには椅子が2つ、あとは最小限の日用品。
部屋の角に鍋が1つ置けるだけの小さなかまどがあり「私のキッチンよ。」と彼女はうれしそうに話してくれた。
庭の一角に小さな花が咲いていた。これもまた彼女自慢のガーデニングのようで写真をパチリ。
日本人からみると不便で大変だらけの生活なのだが、それを感じさせない彼女の明るさに、誇り高きマサイ族の真の強さ、懐の深さ、心の豊かさを感じた。
実際に井戸の水を飲んでみた。濁りも臭みもない透明できれいな水である。もちろんお腹を壊すことはない。
これからも彼女たちが、美味しい水が飲めるよう、私たちとしては支援し続ける事が大切である。

1番楽しかった事は、第2号井戸、マサイ伝統の歌や踊りの歓迎儀式の中で一緒に踊った事。
ほんの短い時間だったけど、国や文化を越え一つになれた気がして無性に楽しかった事を覚えている。
小学校での交流は、こども達がめちゃくちゃかわいく、とろけるような楽しい時間だった。
しかし、手作り紙芝居については、披露をすることなく渡すだけになってしまった事が私自身とても残念であり、紙芝居チームのみんなにも申し訳ない気持ちでいっぱいである。
喜ぶ顔、何だコレ?といった不思議な顔、かわいい猫の絵に興奮する顔など、こども達の素直な反応が見たかったな。
上総堀りを体験させてもらった掘削現場では、IWP現地スタッフに加え、近くに住むコミュニティの男性も、自分達の井戸完成の為に働いていた。その様子を、女性やこども達がお喋りしながら見守っている。まさに井戸端会議!
私は、IWP代表大野さんの指示のもと作業をしているのかと思っていたが、そうではなかった。
慣れた手つきで井戸を堀り進めるスタッフ。今では、彼らだけで作っている井戸もあるという。
日本の上総堀りが、着実にケニアの人々に継承されている事は、大野さんが継続してきた活動の賜物であり、その偉業に尊敬の念を抱くばかりである。

最終日の晩餐での大野さんの言葉はとても印象的で、私の中に強く残っている。
「伝統的なマサイの生活がいつまで続くかは分からない。変わらないで欲しいと思うのは私たちのエゴかもしれない。人は生きたいように生きるべきであり、私たちはそれを支援していきたい。」
NPOを運営する中で1番大変な事は資金面だとも伺った。
私はというと、CD「Unity」をどうしたら沢山売り上げられるか、目下考え中である。
~~~持っていって良かったもの~~~~~~~
●リップ、目薬、マスク
乾燥と砂埃がすごかったので。髪や肌からも水分が抜けパサパサに。もっと乾燥予防グッズ持っていけばよかったな。
●ウェットティッシュ
ご飯を食べる前はもちろん、ゲストハウスで水が出なかった時は、これで身体を拭きました。。
●重ね着できる服
ケニアは朝夕と日中の気温差が大きいので、半袖、薄手の長袖、厚手の長袖など色んな種類の服で温度調整。おかげで風邪ひく事なく過ごせました。
~~~要らなかったもの~~~~~~~~~~
●今回に限っては、雨具、下痢止め薬、マキロン消毒液など万が一の時の物を使わずに済んだので本当によかったです。
~~~今後の現地訪問ツアー参加者へ~~~~
私がまたツアーに参加するとしたら、次はこうしようと思うこと。
●現地の事をしっかり下調べしていく
基本情報が頭に入っているといないでは、同じ物を見ても感じ方など大分変わってくると思う。調べて疑問に思ったことを確認しに行くぐらいの気持ちで参加すると、より事実をリアルに感じる事ができる気がします。
●デジカメの撮りすぎに注意
この素晴らしい瞬間を残しておきたいという気持ち、また交流手段としてもデジカメは有効であった為、事あるごとに写真を撮ってしまったけど、実際に会話して聞いた話の方が心に残っていたりする。記録より記憶。写真はあくまできっかけとして、対話をしよう。その為には、英語も不可欠。現地語も知っている程有効である。
●両替はキモチ多めに
買う予定のなかったお土産も見てしまうと欲しくなってしまうもの。ケニアでは両替できる所も限られていたので、予算+α両替しておくと、いざという時、ひもじくなくてGOODかも!!
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