
「井戸、本当にあった!!」
UNITYの井戸「第一号」を目にした時は、何だか感極まり、ついそんな言葉を発してしまいました。
「UNITY」の収益により寄贈されたこの井戸が、実際にどのようにマサイの人たちに使われているのか…。
「井戸(UNITY第一号)ができてから、生活は変わりましたか?」とマサイの方に聞いたみたところ「この井戸ができる前に、3つあった井戸が干ばつで全て枯れてしまい、それでIWPに新しい井戸をリクエストしたんです。」と経緯から話してくれました。
井戸が枯れて水がない間は、家畜が飲むのと同じ泥水などを口にし、下痢や病気が蔓延していたそうです。
「新しく井戸ができてから、衛生面や女性の負担など、生活は改善している」という内容の話を現地で聞けたのは、嬉しい事でした。が、井戸があれば全て良し、ではないのです…。
知っているようで、実は何も分かっていませんでした。
水汲みがこんなに重労働だとは。水汲みは女性や子供の仕事ですが、一度に20ℓの水(子供でも10ℓ)を背中に背負に背負って片道15分~4、50分の道のりを、一日に2、3回行き来するそうです。

ピンと来ない方、大きいペットボトル(2ℓ)を10本、背中に背負ってみて下さい(想像でいいです)。私は実際に試してみて歩くことすらままならず…。それを見てマサイの人々は、大笑いしていました…。
水を汲むために一日3時間以上歩く、水を汲むために学校に行けない。水を汲むために…。
日本ではまず有り得ない状況。
そして、そんな環境でも携帯電話は普及しているというマサイの不思議…。カルチャーショックというよりも…混乱しました。完全に別世界に来た、と思いました。
事実、マサイ族の間でも、伝統的な生活を重んじる考えと、これからの時代マサイも変わっていかなければ、子供に教育をという考えに二分されているとのことです。
話は井戸に戻って、生きていく上で水が必要なのは紛れもない事実です。訪れた井戸の掘削現場では、マサイ族だけでなく異なる部族の男性が協力して作業を進めており、日本の技術である上総掘りが受け継がれ、現地に技術者が育っている様子を目の当たりにして、この活動の意義と重要性を感じました。
井戸が掘れて修理ができる技術者の必要性、井戸(ポンプ)の必要性を。
余談になりますが、働かないマサイの男性が労働をするという事も、有り得ないくらい、すごい事らしいです。そして参加させて頂いた上総掘り、かなりの力仕事です。ハードでした。果たして、私は役に立っていたのだろうか?

(肌の色白い!って言われたの初めてです!)
ツアーの最終日に、宿泊先を含め町全体が停電しました。復旧するまでの間、真っ暗闇の中で見た星空が素晴らしかったです。しばらくぶりの「天の川」を眺めながら、ふと資源や物に溢れる日本を思い、豊かな反面、見えなくなっている事見失っている事も多いだろうと、自分にとって、人にとって、本当に必要な物は何か?そんなことを(珍しく)真剣に考えました。
…電気もまもなく復旧しました。
最後に、今回の旅はケニアを通して、日本を見つめる旅にもなりました。マサイ族の逞しさや素朴さにも、癒されました。(観光地のマサイは、かなりアグレッシブだったりもしますが笑)
「アフリカの水を飲んだ者は、アフリカに戻る」という諺があるそうですが、私もアフリカにハマった者の一人みたいです(笑)

今回の旅で、私がケニアに興味を持ったように、もしこれを読んで「そんなに?ケニアって…?」と少しでもケニアに興味が向いた方がいれば嬉しいです。
~~~持っていって良かったもの~~~~~~~
●懐中電灯
宿だけでなく、町全体で停電した日が一度ありました。停電でなくても、夜は街灯や建物が少ないので真っ暗になります。道も石が転がっていたり、平坦ではないので、足元を照らすのに持っていると安心です。(現地の人は、暗くても見えているのか、かなりスタスタ歩いていましたが…。さすがです。)
~~~要らなかったもの~~~~~~~~~~
●カロリーメイト等の非常食?(←しいて挙げるなら)
ケニアに関して言えば、食事は(予想に反して)かなり美味しく、日本から忍ばせていった物はほとんど食べなかったです。個人的な意見ですが、せっかくの機会なので現地の食生活・食文化にどっぷり浸ってみるのも良いかと。(胃腸の弱い人にはオススメできないですが…。)
~~~今後の現地訪問ツアー参加者へ~~~~
●「こんにちは」「ありがとう」の最低限の挨拶を、現地の言語で覚えて行く!
例え「こんにちは」の一言であっても、言葉を交わしたのとそうでないのとでは、旅の印象が違ってくると思います。所変わっても、挨拶は基本かなと。
●現地で聞いてみたいことなど、あらかじめ質問を整理し、用意しておく!
実際、現地では時間に追われたり、タイミングが掴めなかったりということもあるかと思いますが、又とない機会です。できるだけ、現地の人の声を聞くことができたらと思います。
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